誠実な企業経営


  • 基本的な考え方

    コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方としては、株主や投資家の皆様をはじめとして、お客様、取引先、地域社会の皆様などステークホルダーのご期待にお応えする事業活動を実現するために、さらなる経営の透明性向上の観点から、経営のチェック機能を充実させ、かつ公平性の維持継続を図るため、コーポレート・ガバナンス体制の強化や充実ならびに適時的確な情報公開を行っています。
    また、国内取引所での上場会社を対象とした「コーポレートガバナンス・コード」が適用されたことに伴い、本コードを適切に実践し、持続的な成長による企業価値の向上を図り、ステークホルダーの皆様ひいては経済全体の発展に寄与するという考え方に賛同し、さらなるコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいきます。
    コーポレート・ガバナンス体制の概要
    当社は監査等委員会設置会社の機関形態のもとで、取締役会が経営の監督を行っており、経営の監督と業務執行を分離させるために執行役員制度を採用しています。
    本レポート発行時における経営体制は、取締役(監査等委員である取締役を除く)7名、監査等委員である取締役5名(うち社外取締役4名)および取締役兼務者6名を含む執行役員25名で構成されています。
    監査等委員会は、取締役会から独立した立場において内部統制システムの整備状況、運用状況を含めて適法性、妥当性の観点から取締役会および取締役、執行役員の職務執行監査等を行っています。
    また、当社は代表取締役社長を議長とする常務会を設置しており、取締役会への付議事項をはじめとして、内規に基づいて重要事項を審議しています。常務会は、代表取締役および業務担当役員、営業担当役員、製造担当役員、設計・施工・新事業・商品開発担当役員で構成されています。

    取締役会

    2021年度は、計9回の取締役会を開催しました。法令や定款、取締役会規定をはじめとした内規に基づき、株主総会に関する事項、重要な組織・人事に関する事項、決算に関する事項、重要な財産等に関する事項等の重要事項について決議を行う一方で、経営における責任体制を明確化し、意思決定の迅速化を図る目的から、取締役会決議において各担当役員への権限委譲を行っています。
    2022年8月現在の当社取締役会は、当社事業に精通し、事業の特性を踏まえた迅速かつ的確な意思決定のできる社内出身者である監査等委員ではない取締役7名と、独立社外取締役4名を含む監査等委員である取締役5名の計12名により構成されています。

    取締役会の実効性評価

    文化シヤッターでは2021年度において開催した取締役会の実効性について、2022年3月31日時点で在籍している全ての取締役を対象として、「取締役会の構成」「取締役会の運営」「取締役に対する支援体制」「取締役自身の取り組み」「監査等委員会について」「総括」の6つの項目で構成される全46問のアンケート形式による自己評価を実施しました。
    各取締役の自己評価の結果、当社取締役会は概ね適切に機能しており、取締役会の実効性が確保できていると分析・評価した一方で、取締役会の実効性をさらに高めていくために、中期経営計画の進捗および資本コスト関連の報告や議論等をさらに充実させるなどの必要性を再認識しました。
    今後は、各取締役の自己評価結果と意見を踏まえ、認識された課題の解決および実効性評価項目の見直し等に継続的に取り組むことならびに取締役自らが問題提起し、議論を活性化させることで、当社取締役会のさらなる実効性の向上に努めていきます。
    コーポレート・ガバナンス体制図
    画像をクリックすると拡大します。

    指名・報酬委員会

    文化シヤッターは2021年8月、取締役の選解任等および報酬等の決定に関する取締役会の機能の独立性、客観性、説明責任の強化を目的として取締役会の下に諮問機関として指名・報酬委員会を設置しました。
    指名・報酬委員会の委員は、取締役会決議により選定された3名以上の取締役で構成し、その過半数は独立社外取締役としています。 また、委員長は指名・報酬委員会の決議によって、委員の中から選定しています。

    社外取締役の独立性および多様性

    文化シヤッターでは、社外取締役を選任するための独自の基準または方針は定めていませんが、会社法等の法令や東京証券取引所の独立性基準に準拠して選任することとしています。
    独立社外取締役4氏は、各分野における豊富な経験と、その経験に基づく高い見識を有しており、当社事業活動への助言や当社の意思決定における妥当性・適正性の確保などコーポレート・ガバナンスの強化に貢献しています。
    独立社外取締役の選任
    飯名 隆夫氏 経験と見識
    東急建設株式会社の元代表取締役副社長として、主に建設業界における企業経営者としての豊富な経験とその経験に基づく高い見識を有しています。
    活動状況
    主に他社における経営者としての経験から意見を述べるなど取締役会および監査等委員会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言・提言を行っています。
    藤田 昇三氏 経験と見識
    高等検察庁検事長をはじめ、検察官としての要職を歴任され、また退官後は弁護士として活動するなど、法律分野に精通した豊富な知識と高い見識を有しています。
    活動状況
    主に法律の専門家の見地から意見を述べるなど取締役会および監査等委員会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための発言ならびに内部統制システムの構築にあたり助言・提言を行っています。
    阿部 和史氏 経験と見識
    株式会社UACJの出身であり、同社における豊富な実務経験に加えて、常勤監査役としての職務経験も持ち合わせています。
    活動状況
    主に他社における豊富な実務経験および監査役としての職務経験から意見を述べるなど取締役会および監査等委員会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言・提言を行っています。
    早坂 善彦氏 経験と見識
    前田建設工業株式会社の元取締役専務執行役員として、主に建設業界における企業経営者としての豊富な経験とその経験に基づく高い見識を有しています。
    活動状況
    主に他社における経営者としての経験から意見を述べるなど取締役会および監査等委員会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言・提言を行っています。

    監査等委員会による監査・内部監査の実施

    文化シヤッターでは、監査等委員会設置会社として、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことなどにより、取締役会の監査機能を一層強化しています。当社の監査等委員会は独立社外取締役4名を含む5名の監査等委員である取締役で構成されており、経営の透明性確保を目的として、適法性、妥当性の面から取締役の職務執行状況の監査を行っています。
    監査等委員監査では、取締役会、常務会はもとより、営業・製造に関わる社内重要会議への出席や重要書類閲覧のほか、グループガバナンス体制強化のため、CSR統括部監査室および経営企画部と協働して、海外を含むグループ会社への往査(リモートによる監査を含む。)を実施するなど、職務執行全般について監査しています。
    また、CSR統括部監査室や事業本部業務部によって、事業本部、支店、工場、営業所等を対象に計画的に内部監査を実施しています。
    監査等委員会および内部監査部門ならびに会計監査人は随時、情報や意見を交換し合う三様監査の体制を整え、監査が実効的に行われる体制の確保を図っています。

    内部統制システムの整備状況

    取締役会は当社および当社の子会社の取締役および従業員の職務の執行が、法令および定款に適合することを確保するため、会社法第362条第4項第6号および会社法施行規則第100条各号の規定に基づき、内部統制システム構築の基本方針を決定し、当社および当社の子会社の全ての役員および従業員が効率性、公正性、法令遵守、資産の保全を全業務において達成するための体制を整備しています。

    コンプライアンスの強化

    BXグループでは、法令遵守はもとより、社会規範や企業倫理に基づいた行動を一人ひとりが実践するよう、遵守すべきルールを定めたCSRガイドラインを制定しています。全従業員には常時携帯できるコンパクトサイズの「CSR憲章手帳」を配布し、コンプライアンスを意識した行動を促すほか、e-ラーニングや各種法律の動画配信を行うなど、気軽に学習できる機会を設け、従業員の意識向上を図っています。
    また、新入社員、中途入社者、新任管理職向け、グループ会社向けのコンプライアンス研修を実施し、組織単位で不正を許さない風土づくりに努めています。さらに、コンプライアンスの浸透度を定量化し、評価基準を設ける「コンプライアンス監査」体制の構築をめざし、定期的に全社的な実態調査を実施、教育や評価項目設定の参考としています。
    今後も組織的にコンプライアンス違反を防止するための環境づくりを推進していきます。
  • 製品の安全と品質向上について

    BXグループでは、製品の品質向上はもとより、企画からメンテナンスまでバリューチェーンの各ステップにおける「仕事の質」向上に取り組み、お客様に信頼される品質の実現を通じて社会からの信頼獲得をめざしています。
    2021年度は製品の完成工程である施工の品質をより確実にするために、施工改善や施工管理に注力し、製品事故、品質異常を未然に防止する体制の基盤強化を図りました。また、人材の育成にも注力しており、意識の醸成や法規制等の知識の平準化を目的に、全従業員を対象としたe-ラーニングでの学習の機会を提供しています。
    各種性能試験や商品の評価等を実施するライフイン環境防災研究所では、新しい試験装置や評価技術を順次導入するなど、より高い安全性を確保するための評価基準の向上に努めており、今後もお客様により安心・安全な商品を提供することで、BX製品の信頼性向上に努めていきます。
    製品事故・品質異常の対応
    製品事故・品質異常の対応については、迅速かつ適切に対応するため、危機管理体制を構築しています。
    製品事故や重大な品質異常の情報は各拠点を通じて品質保証部に報告され、法令、安全性、事故拡大などの観点から重大化する可能性があると判断された場合には、各会議において審議を行います。会議では、法令遵守や安全性に主眼をおき、告知や改修の必要性を含め対応を検討し、社長との協議を経て最終決定を行います。製品事故、品質異常の情報から、迅速に原因究明を実施し、対策を講じることで再発防止を図ると共に、これらの活動を水平展開することで改良・改善につなげています。
    危機管理体制(製品事故・品質異常対応)

    CSR調達に関するガイドライン

    BXグループがめざす「快適環境」の実現は、お取引先企業やサプライヤーの皆様の協力なくして成し得ないものです。公平、公正、公明な取引を基本として、脱炭素社会の実現や地球環境保全の観点からも、サプライチェーン全体で社会からの期待にお応えするため、サプライヤーとの連携体制の構築をめざした「調達ガイドラインの推進」に取り組んでいます。
    コンプライアンスの徹底はもとより、「品質(Q)コスト(C)納期(D)」を担保した調達と、地球環境保全の両立をめざしたCSR購買およびCSR調達に関する考え方や基準を明確に設け、サプライヤーにご理解いただいています。特に品質においては、定期的な品質監査のほか、当社グループが求める品質基準に基づき、サプライヤーの自己評価と「取引評価表」によるBX評価を共有する相互チェックを実施し、結果をフィードバックすることで定期的にコミュニケーションを図り、信頼関係の構築およびリスク管理の徹底に努めています。今後も持続可能な調達をめざしたCSR調達の推進により、強固な基盤づくりを図っていきます。
    1. 社会規範の遵守
    サプライヤーには、CSRへの考え方や取り組みに対して共通の認識を持てるよう、定期的な情報発信・指導を実施し、CSR意識の浸透を図ります。
    2. 購入品に関する品質の確保
    サプライヤーの品質管理状況を把握するために、定期的に監査を実施することで、調達する原材料や部品・製品の品質の向上と安定を図ります。
    3. 地球環境保全
    サプライヤーに対して、ISO14001の取得状況やグリーン購入に関する実態調査を実施します。

    製品の安定供給

    BXグループでは、パンデミックや大規模自然災害の発生など、予期せぬリスクが発生した場合でも製品を安定的に供給するため、あらゆる有事を想定した事業継続計画(BCP/BCM)を策定しています。
    事業継続活動実施フロー
    事業継続計画
    通信の確保
    ●被災状況を迅速かつ詳細に把握するため、各工場に衛星通信機器を設置し、本社を含めた拠点間の連絡体制を構築しています。
    調達BCP
    サプライチェーンの二重化
    BCPの観点より、基本的に複数の商流を構築しています。さらに、直接取引のあるサプライヤーのその先の生産・供給拠点に関しても、必要な情報を網羅したシステムの構築を継続して行っています。また、海外からの輸入品に関して、一部を国内での生産に切り替えるよう進めています。
    自社での最低在庫の確保
    新型コロナウイルスによる世界的なロックダウンの影響によって、特に半導体をはじめとする電子部品の調達が逼迫しています。それに対する施策として、完成品在庫と部品在庫を合計6か月分確保するよう各サプライヤー、BXグループ会社、BX各工場と協力体制を構築しています。
    調達に関するガイドラインの整備
    各サプライヤーに対し、CSR調達に関するガイドラインを浸透させ、さらなる安定供給の徹底を図ります。
    自社在庫状況の見える化
    文化シヤッター7工場で購入品の在庫状況を見える化し、情報共有することで、部品・原材料が効率よく供給できるシステムを構築しています。
    製品の供給
    製造システムの対応
    工場が被災した場合に、他工場への代替生産が可能となるシステムを構築しています。機能の拡充を図り、より円滑な代替生産の実現をめざします。
    物流体制の構築
    グループ内の物流網を再構築し、事業間で物流情報を共有することで、被災状況の情報とあわせ、最適なルートの検索や車輌等を確保できる体制を構築していきます。

    情報セキュリティ

    BXグループでは、情報資産のセキュリティ確保のため、「情報セキュリティ基本方針」を定め、セキュリティ保持活動に取り組んでいます。全社のPC機器や外部媒体の暗号化はもとより、リモートワークの推進に伴い、個人使用PCの指紋認証導入をはじめ、遠隔での情報消去やパスワード強化等の情報漏洩対策を実施しています。また、災害を想定してすべてのサーバー機器をデータセンターに集約し、バックアップを含め安全な環境を構築しています。
    推進組織
    BXグループ全体で一貫したセキュリティポリシーを構築することで、グループ全体のセキュリティを向上させることを目的に、業務担当取締役を委員長としたセキュリティ委員会と、各部門から任命されたタスクフォースにおいて、情報資産の保護や情報資産管理台帳の管理および情報セキュリティに関する情報共有を行い、体制の強化を図っています。
    情報リテラシー向上のための教育
    グループ全従業員を対象とした情報セキュリティに関するe-ラーニング学習を実施するほか、標的型メール攻撃(マルウェア対策など)の訓練を実施し、従業員のセキュリティ意識の向上に取り組んでいます。
    情報セキュリティ基本方針
    1. 適用範囲
    本方針の適用範囲は、BXグループに所属する全ての役員・従業員を対象とします。
    2. 法令等の遵守
    BXグループは、情報セキュリティに関する法令、規則、ガイドライン、規約等を遵守します。
    3. 情報資産の管理
    BXグループは、保有する全ての情報資産の保護に努めるため、組織的、技術的に適切な対策を講じます。
    4. 情報セキュリティ教育
    BXグループは、従業員ならびに関係者に対して、情報資産の適切な取り扱いおよび管理を実現するために定期的に教育を実施し、情報資産の重要性を認識させ、情報セキュリティリテラシー向上を図ります。
    5. 継続的な改善
    BXグループは、情報セキュリティマネジメントに準じた継続的な改善を図り、必要に応じて本方針および関連する諸規定の見直しを行います。

    大規模災害発生時の備え

    文化シヤッターでは、大規模災害が発生した場合の備えとして、下記の対策を実施しています。
    1. 「地震災害の手引き」を配布し、地震発生時にどのような行動をとるべきかのシミュレーションや緊急連絡先を把握できる体制を整備しています。また、帰宅困難が予想される場合には、早期帰宅等の対応を行っています。
    2. 全事業所において、勤務者全員の備蓄品を完備しています。特に本社ビルにおいては、来訪者および周辺住民のための追加備蓄をしています。
    3. 多数の勤務者がいる事業所においては、大規模災害発生を想定した防災訓練を定期的に行っており、冷静に安全対策を講じるための訓練を行っています。
    4. 交通機関等が麻痺した場合に備え、本社ビル勤務者を対象とした徒歩帰宅訓練を実施しています。今後は大阪や名古屋等の都市部拠点においても同様の訓練を実施する予定です。