特集:快適環境の追求〜気候変動に備える〜

BXグループの「ウインドブロックシリーズ」は、
強風や突風から大切な資産を守ります
気候変動による大規模災害の多発化・激甚化は、人的・経済的被害も大きく、重要な社会課題となっています。
文化シヤッターでは、気候変動への適応を優先すべき社会課題と捉え、災害に備え、被害を最小化するための自助の備えを支援する商品開発に注力しています。
「ウインドブロックシリーズ」は、重量シャッター、オーバースライディングドア、住宅用窓シャッターで高耐風圧性能を確保した商品をラインアップしています。特に大型物流倉庫の増加により需要が増している重量シャッターでは、基準風速が国内最大となる沖縄全域を想定した業界最高の性能を実現しており、暴風対策の面から企業のBCP対策を支援します。
この特集では、社会的背景を交え、業界最高の耐風圧性能を誇る「ウインドブロックシリーズ」重量シャッターをご紹介します。
WindBloackSeries

気候変動による影響

地球温暖化と台風
台風の将来変化については気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書にも記述されており、世界各国各機関におけるシミュレーションの平均的な結果として、2℃の気温上昇に対して風速の大きさで評価した場合、台風の平均強度が5%増加するとされています。
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出典:気象庁「過去の台風資料」をもとに作図
社会的背景(市場の要求)
近年、EC事業の拡大や、消費者の購買スタイルの変化に伴い、物流機能強化を目的とした大規模な物流倉庫が増加しています。さらに気候変動に伴う台風の強大化に備えるBCP対策として、耐風圧性能の高い重量シャッターへの要求が高まっています。物流倉庫向けの重量シャッターでは、大開口で高い耐風圧性能を確保した商品が求められています。
出典:国土交通省「建築・住宅関係統計調査」をもとに作図

暴風対策 備えるべき風と風圧力

出典・イラスト:気象庁 リーフレット「雨と風(雨と風の階級表)」
シャッターに屋外側から風圧力(正圧)がかかると、建物の反対面や側面にあるシャッターには屋外に向かって引っ張られる風圧力(負圧)がかかります。台風は突風により正圧方向と共に負圧方向にも大きな風圧力がはたらくため、シャッターはその両方向において強度を向上させる必要があります。
大開口で高い耐風圧性能を確保する文化シヤッターの技術
大開口で高い耐風圧性能を確保するには、風を受けてたわんだスラットが、ガイドレールから抜け出さない構造とする必要があります。そのためには「スラットに耐風フックを装備」「耐風フックを引っかけるガイドレール構造」の2点が重要です。
当社のウインドブロックシリーズ重量シャッターでは、この2点をさらに強化し、高強度耐風フックの採用によるスラットの強度アップと、補強プレートの採用によるガイドレールの強度アップを実現しました。
ライフイン環境防災研究所での徹底した実証実験
JIS A 4705(重量シャッター構成部材)のスラットの曲げ試験
スラットに載荷するおもりを風圧力に見立て、スラットの性能を評価。
当試験所は、ISO/IEC 17025に適合した国際対応(ILAC MRA)の試験認定を取得しています。
認定範囲:
防火・耐火試験/気密・水密性試験/遮音・断熱性試験
屋外から受ける風圧力(正圧)で4,000Pa、 風下側で発生する屋外に向かって引っ張られる風圧力(負圧)で3,800Pa高い耐風圧性能を確保しています
VOICE
商品開発部開発1部
課長
猪俣 聡

近年の気候変動に伴う台風の強大化により、強風による被害も数多く報告されています。このような状況の中、よりお客様に安心して採用していただくために、より高い耐風圧性能のシャッターの実現をめざし、商品開発に取り組みました。
目標とした正圧での4,000Paを実現させるためには、スラットの曲げ試験において、おもりを風圧力に見立て、4,000Paをかけてもガイドレールからスラットが抜け出さないことが絶対条件となります。スラットに風圧力がかかるとガイドレールに耐風フックが引っかかりますが、その時に、ガイドレールと耐風フックには、スラットが抜け出そうとする力が非常に大きくはたらきます。この力に耐えられるようにガイドレールと耐風フックの強度を向上させなくてはなりません。
その課題をクリアするために、アイデア、設計、試作、試験、結果検証のサイクルを繰り返し、試験が失敗したときには、結果検証を徹底的に行い、原因を追究するためにガイドレールからスラットが抜け出す際の動画の解析や、試験後の試験体サンプルを3Dスキャナにより解析し、どのような対策を講じるべきかを導き出し次の設計に活かしました。こうして、「ウインドブロックシリーズ」の重量シャッターが完成しました。
今後も、お客様へさらなる安心・安全を提供できるよう、環境の変化に対応した商品力を強化すると共に、防災の視点でお客様の要望を先読みした新商品の企画・開発を進めていきます。