商品の評価・検証の取り組み
ライフイン環境防災研究所では、これからの「住まう」「生活する」に求められる品質を、「基礎的安全品質」「高齢化社会対応品質」「地球環境対策品質」の3つの視点で捉え、それぞれの切り口から商品価値を追求する取り組みを進めています。そして、これらの視点を実現させるため、「試験ゾーン」には音響試験室や環境・断熱試験装置をはじめ、業界初の3次元による地震動を実際の構造物に直接作用させる検証が行える耐震試験装置や、浸水高さ3mまでの試験が行える水槽を備えた止水試験場など、「環境」と「防災」をテーマとした各種試験装置の導入と充実を図っています。 また、生活者の視点で商品の体感と検証ができるスペース「体感ゾーン」には、「セーフティ&セキュリティスペース」と「ユニバーサル&バリアフリースペース」をテーマとした約30種類の商品を展示しています。
そして、この桶川テクニカルセンターの機能と規模を拡充した「試験センター」を、2000年に開設した後、2008年には同センターに新たな概念を加えた試験・検証施設として、栃木県小山市に「ライフインセンター」を開設。間口8.5m、高さ4.5mの世界最大規模の大型耐火試験炉をはじめ、火災時の煙の漏出を測定する動風圧試験機、温度湿度の変化による性能変化を測定する恒温恒湿室など、各種性能試験を行う試験設備を導入した「試験ゾーン」と、各種シャッターの安全装置の他、バリアフリー対応の引戸やユニバーサルデザインのドアなどを実際に操作・体験できる「体感ゾーン」を設けました。
2009年には適切な試験結果を提供できる試験施設としての能力を認めた国際規格「ISO/ IEC 17025」を取得しており、試験品質を向上させることでお客様に安心してご利用頂ける商品の提供につなげております。そして、2017年にはライフインセンターの敷地内に建屋を増築し、7種類の試験設備を新規に導入して、規模と機能を拡充した総合的な試験・研究施設「ライフイン環境防災研究所」として生まれ変わりました。この試験設備の拡充に合わせて2018年には、ISO/IEC 17025の試験対象項目にこれまでの「防火・耐火試験」「気密・水密性試験」に加えて、新たに「遮音性試験」と「断熱性試験」が認定範囲に追加されました。この拡大認定を受けて、今後は様々な生活環境に対応した遮音性をはじめ、建物全体の省エネにつながる断熱性を考慮した商品開発のスピードアップを図ってまいります。
「環境」をテーマとした試験装置
地球温暖化や資源の枯渇など変わりゆく環境課題に対して、最新設備を活用した試験と研究を通じて快適性や省エネ対応のソリューションを提供します。
<環境・断熱試験装置>
断熱性能や結露防止性能の測定に加え、隣接する独立した部屋で、商品が使用される環境での動作や開閉試験をするための試験装置。
<音響試験室>
隣接する部屋からの音響透過損失の測定や、遮音性能を確認するための試験装置。
<電磁シールド室>
電磁波の計測時に周囲の電磁波は障害となるため、試験装置の外部から侵入する電磁波を遮断する試験装置。
<恒温恒湿室>
商品が使用される季節・地域などや1日の温度・湿度変化による影響を測定する試験装置。
<動風圧試験機>
気密・水密・耐風圧性能の他、防火設備の遮煙性能を確認できる試験装置。
<防音室>
音の計測時に周囲の音(騒音)が障害となるため、試験装置の外側の騒音の侵入を低減する試験装置。
<照射試験機>
日射熱による商品への影響(変形、反り)確認するための試験装置。
<屋外暴露試験場>
屋外環境で商品の劣化や腐食状態などを定期測定して商品開発に活かすための試験場。
「防災」をテーマとした試験装置
地震や火災、水害など突然襲ってくる災害の脅威に対して、最新設備を活用した試験・研究を通じて安心・安全な社会を実現する防災技術を追求します。
<耐震試験装置>
実際の構造物に直接地震動を作用させる3次元大型振動実験装置。
<止水試験場>
ゲリラ豪雨を想定した注水と排水が自動でできる止水商品の評価を行うための試験設備。
<構造試験場>
鉛直・水平荷重、載荷、衝撃、疲労などの強度試験を行うための反力床と反力壁を有した多目的な試験施設。
<耐火試験炉>
防火設備等の耐火性能が確認できる世界最大級の耐火試験炉。
体感ゾーン
文化シヤッターの技術の粋を結集した約30種類の最新商品を、見て、触って、体感頂けます。
<プレゼンテーションスペース>
ライフイン環境防災研究所のコンセプトボードをはじめ、創業当時から現在までの商品の歴史を閲覧できる「ヒストリーボード」や、特殊設計によるプロジェクト物件などをご紹介しています。
<セーフティ&セキュリティスペース>
「防火シャッター」「ガレージシャッター」「窓シャッター」「防火ドア」などの構造をはじめ、シャッターの安全装置である「障害物感知装置」や「危害防止装置」の役割と機能を確認・検証できます。
<ユニバーサル&バリアフリースペース>
高齢者住宅や医療・福祉施設向けの商品を、ユニバーサルデザインやバリアフリー対応の観点から体感できるスペース。車いすに乗ってドアの開閉のしやすさや把手のつかみやすさなど操作性を確認したり、安全性を検証できます。