2023年01月17日
「10層鉄骨造オフィス試験体による建物の動的特性評価実験」に参画
産官学連携による「アルミカーテンウォール内蔵型
センサーアラートシステム」を開発・実証
~実大三次元震動破壊実験施設「E―ディフェンス」で公開実験~
文化シヤッター株式会社(社長:小倉 博之)では、国立研究開発法人防災科学技術研究所が取り組む「10層鉄骨造オフィス試験体による建物の動的特性評価実験」において、産官学が連携して推し進める「アルミカーテンウォール内蔵型センサーアラートシステム」の研究・開発に参画しています。
今回、国立研究開発法人防災科学技術研究所では、昼夜を問わず発生する地震による被災状況を即時に可視化するシステムの実証を目的として、実際の中規模オフィスビルを再現した構造物の試験体に同システムを実装し、巨大地震を想定した震度7クラスの地震波を加振する公開実験を行うことになりましたので、お知らせ致します。
「アルミカーテンウォール内蔵型センサーアラートシステム」は、地震時に建物の変形度合から“センサーシステム”を活用して被災状況を推定し、即時に発光表示する“アラートシステム”により被災状況を可視化できるものです。このシステムの開発にあたっては、以前より国立研究開発法人防災科学技術研究所をはじめ、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、不二サッシ株式会社、そして弊社とともに、産官学が連携して推し進めてきており、弊社は建物の変形の計測に適した「センサーシステム」の研究・開発を担っています。
なお、今回の公開実験においては、内装材についても被災状況の検証を行うため、試験体となる構造物には弊社が取り扱う「重量シャッター」「防火扉」「引戸」「間仕切」を設置しており、実験で得られるデータを今後の商品開発において、さらなる耐震性と安全性の向上に反映させてまいります。
【アルミカーテンウォール内蔵型センサーアラートシステム】
【実験の背景】
近い将来に南海トラフ地震、首都圏直下地震の発生が確実されている中で、普段の生活の維持と社会の経済活動の継続のためには、これら将来の地震に向けた事前準備と、地震後の速やかな判断と対応が行えるようにしなければならないという背景があります。
【実験目的】
実際の建物の現状性能を把握して事前の地震対策に役立てるため、建物の揺れの特性(動的特性)を頻発する中小地震を利用して、評価するための手法の実証および地震後の速やかな建物状況の判断と、継続利用の可否を判断するためのアルミカーテンウォールに具備するセンサーアラートシステムの技術開発と実証を行うものです。
【実験の概要】
防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター内の実大三次元震動破壊実験施設「E-ディフェンス」を活用し、実際の建物のカーテンウォールの取り付け状況を模擬して、試験体のほぼ全面にカーテンウォールを設置した上で、様々なレベルと特性の地震動で試験体を加振し、センサーシステムで建物の地震応答を計測します。
また別途、試験体に設置した変位計や加速度計の計測結果と、センサーシステムで取得した地震応答を比較し、アルミカーテンウォール内蔵型センサーの動作を検証します。そして、計測結果から動的特性を評価し、アラートシステムで即時にLED照明を発光させて表示させます。
さらに、推定した被災状況と実際の被害を比較するため、試験体に内装材などの非構造部材を設置し、これらの実験を通じてセンサーシステムとアラートシステムの実証を行うことで、社会実装の推進につなげるものです。
【公開実験日】
2023年2月17日(金) 11時30分受付開始(12時00分受付締切)
【実験場所】
国立研究開発法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター
〒673-0515 兵庫県三木市志染町三津田西亀屋1501-21
【対象】
報道機関、研究機関、建設関係者、防災関係者(※)
※一般の方への公開は行っておりませんのでご了承願います
実験の詳細につきましては、以下の国立研究開発法人防災科学技術研究所のホームページをご参照願います
https://www.bosai.go.jp/hyogo/